睡眠時無呼吸症候群のマウスピースは保険適用になる?作製条件・費用・治療の流れを歯科医師が解説|フリージア歯科クリニック|大阪本町の歯医者

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睡眠時無呼吸症候群のマウスピースは保険適用になる?作製条件・費用・治療の流れを歯科医師が解説

こんにちは。大阪市西区のフリージア歯科クリニック オリックス本町ビル院の院長の浦です。

最近、当院でも睡眠時無呼吸症候群の治療用マウスピースについてのご相談が増えています。

「家族からいびきがうるさいと言われる」
「寝ている間に呼吸が止まっているらしい」
「CPAPを使っているけれど、どうしても慣れない」
「歯医者でマウスピースを作れば、いびきが改善すると聞いた」

こうしたご相談の中で、特に多いのが「マウスピースは健康保険で作れますか?」というご質問です。

実は、睡眠時無呼吸症候群のマウスピースは、一定の条件を満たせば健康保険で作製できます。

ただし、いびきがあるという理由だけで、歯科医院ですぐに保険適用のマウスピースを作れるわけではありません。

今回は、保険適用の条件から実際の治療の流れまで、できるだけわかりやすくお話しします。

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が繰り返し止まったり、浅くなったりする病気です。

特に多いのが、睡眠中に舌や喉の周囲の組織によって空気の通り道が狭くなる「閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)」です。

代表的な症状には、次のようなものがあります。

  • 大きないびきをかく

  • 睡眠中に呼吸が止まる

  • 夜中に何度も目が覚める

  • 朝起きても疲れが取れない

  • 日中に強い眠気を感じる

  • 集中力が低下する

睡眠時無呼吸症候群は、単に睡眠の質が悪くなるだけの病気ではありません。

高血圧や心血管疾患などとの関連も指摘されており、適切な診断と治療が大切です。

睡眠時無呼吸症候群のマウスピースは保険適用になる?

結論から言うと、医科で睡眠時無呼吸症候群と診断され、医師から口腔内装置による治療を依頼された場合には、所定の条件を満たすマウスピースを健康保険で作製できます。

ここで大切なのが「医科での診断」と「医師からの治療依頼」です。

保険診療で作製する場合、基本的には次の条件が必要です。

① 医科で睡眠時無呼吸症候群と診断されていること

内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、睡眠専門外来などで睡眠検査を受け、診断を受ける必要があります。

② 医師から歯科医院への診療情報提供があること

医科の担当医師から、睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置治療を依頼する診療情報提供が必要です。

③ 保険診療で認められた装置を作製すること

マウスピースには複数の種類がありますが、どのような装置でも健康保険が使えるわけではありません。

この3つが、保険適用を理解するうえで重要なポイントになります。

AHIが5以上なら保険で作れる?

睡眠時無呼吸症候群の診断では、AHI(無呼吸低呼吸指数)という数値が使われます。

AHIとは、睡眠1時間あたりに無呼吸や低呼吸が何回発生しているかを表す指標です。

一般的な成人の閉塞性睡眠時無呼吸の重症度は、次のように分類されます。

AHI 重症度
5未満 正常範囲の目安
5以上15未満 軽症
15以上30未満 中等症
30以上 重症

一般にAHIが5以上で、症状や検査結果などから睡眠時無呼吸症候群と診断された場合、マウスピース治療が検討されます。

ただし、AHIが5以上という数値だけで、自動的にマウスピースの保険適用が決まるわけではありません。

検査方法や症状、医師の診断、治療方針などを踏まえ、医科から口腔内装置治療の依頼を受ける必要があります。

また、AHIが20以上の方でも、CPAPが使用できないなどの理由でマウスピース治療が選択される場合があります。

重症だから絶対にマウスピースを使えない、というわけではありません。

ただし、重症例ではCPAPが優先されることも多く、治療方法は担当医師と相談して決めることが重要です。

いびきだけでも保険でマウスピースを作れる?

こちらも非常によくいただく質問です。

結論として、睡眠時無呼吸症候群と診断されていない、単純ないびきの改善を目的としたマウスピースは、原則として健康保険の対象になりません。

例えば、

「家族にいびきを指摘されたのでマウスピースを作りたい」

「旅行先でいびきをかきたくない」

「無呼吸はないけれど、いびきだけ改善したい」

こうした場合には、まず医科で睡眠時無呼吸症候群が隠れていないか確認することをおすすめしています。

睡眠検査を受けた結果、睡眠時無呼吸症候群と診断されなければ、いびき改善を目的とする装置は自費診療での対応になります。

保険で作るには紹介状が必要?

保険診療で睡眠時無呼吸症候群のマウスピースを作製する場合、医科の担当医師からの診療情報提供が必要です。

これは、歯科医院が患者さんのいびきだけを判断して、保険診療として装置を作製することが認められていないためです。

医科で睡眠検査を受け、睡眠時無呼吸症候群と診断されたうえで、口腔内装置による治療が適切と判断されれば、歯科医院へ紹介していただく流れになります。

なお、単に病名だけが書かれた書類ではなく、口腔内装置による治療を依頼する内容が確認できることが重要です。

すでに睡眠時無呼吸症候群と診断されている方は、担当医師に「歯科でマウスピース治療を希望しています」と相談してみてください。

保険のマウスピースと自費のマウスピースは何が違う?

睡眠時無呼吸症候群の治療用マウスピースには、いくつかの種類があります。

保険診療で認められているのは、上下の歯に装着し、1つの装置として使用する所定の構造のものです。

一方、自費診療では、上下が分かれたタイプや、下顎の位置を段階的に調整できるタイプなども選択肢になります。

当院では、こうした装置の選択肢として、SomnoDent Avant(ソムノデント アバント)にも対応しています。

ただし、装置によって保険適用の可否が異なります。SomnoDent Avantのような上下分離型の装置は、通常の保険診療で認められる装置とは異なり、自費診療での対応となります。

どちらが適しているかは、睡眠時無呼吸症候群の程度だけでなく、歯の状態、噛み合わせ、顎関節の状態、装着のしやすさなどを総合的に判断する必要があります。

マウスピースはどのようにして無呼吸を改善する?

睡眠時無呼吸症候群の治療用マウスピースは、一般的な歯ぎしり用マウスピースとは目的が異なります。

主な仕組みは、睡眠中に下顎を通常より前方に保持することで、舌の付け根や喉の周囲の空気の通り道を広げやすくすることです。

これによって、睡眠中の気道の閉塞を軽減し、無呼吸や低呼吸、いびきの改善を目指します。

ただし、すべての方に同じ効果が得られるわけではありません。

また、装着後に顎の痛み、歯の違和感、唾液の増加、噛み合わせの変化などが起こる場合もあります。

そのため、作製して終わりではなく、装置の調整や定期的な確認が大切です。

マウスピース作製までの流れ

当院で睡眠時無呼吸症候群のマウスピース治療を検討する場合、基本的には次のような流れになります。

STEP1:医科で睡眠検査を受ける

睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、内科や耳鼻咽喉科、睡眠専門外来などを受診します。

STEP2:医師から歯科医院への治療依頼

マウスピース治療が適切と判断された場合、診療情報提供書などを通じて歯科へ治療依頼をしていただきます。

STEP3:歯科医院でお口の状態を確認

虫歯、歯周病、残っている歯の状態、噛み合わせ、顎関節の動きなどを確認します。

歯の状態によっては、先に歯科治療が必要になる場合もあります。

STEP4:型取り・マウスピース作製

お口の状態と治療方針に応じて、型取りや噛み合わせの記録を行い、装置を作製します。

STEP5:装着・調整

完成したマウスピースを装着し、違和感や顎への負担を確認しながら調整します。

STEP6:治療効果の確認

マウスピースを使用していびきが減ったとしても、無呼吸が十分に改善しているとは限りません。

必要に応じて医科で再度睡眠検査を受け、治療効果を確認することが大切です。

マウスピースの費用はどれくらい?

健康保険で作製する場合、患者さんの負担割合によって費用は異なります。

2026年度の診療報酬では、睡眠時無呼吸症候群に対する口腔内装置の製作に関する点数は、装置の種類によって2,000点または3,000点と定められています。

ただし、実際の診療では初診料、検査、型取り、噛み合わせの記録、装着、調整などの費用が別途発生する場合があります。

そのため、装置の製作点数だけで総額が決まるわけではありません。

3割負担の方では、歯科での装置作製に関する自己負担額が合計1万円前後になるケースもありますが、診療内容や受診回数によって変わります。

また、医科での診察や睡眠検査の費用は別途必要です。

フリージア歯科クリニックでの睡眠時無呼吸症候群治療

睡眠時無呼吸症候群は、医科と歯科が連携して治療することが大切な病気です。

当院では、睡眠時無呼吸症候群に対するマウスピース治療のご相談に対応しています。

また、SomnoDent Avantの認定医院として、装置の特徴や適応についてもご説明しています。

マウスピースは、ただ歯に合っていればよいというものではありません。

下顎をどの程度前方に動かせるのか、顎関節に負担がかからないか、長期間使用できるかなど、歯科的な確認が重要です。

そして、装置を作った後も、医科と連携しながら治療効果を確認していく必要があります。

「保険で作れるのかわからない」
「すでに睡眠時無呼吸症候群と診断されている」
「CPAPが合わず、別の治療方法を探している」

このような方は、まず現在の診断状況や検査結果を確認しながら、ご相談いただければと思います。

まとめ|保険で作るには医科での診断と治療依頼が必要です

睡眠時無呼吸症候群のマウスピースは、条件を満たせば健康保険で作製できます。

しかし、いびきがあるだけで、誰でも保険適用になるわけではありません。

大切なのは、医科で適切な睡眠検査と診断を受け、マウスピース治療が必要と判断されることです。

また、保険診療で認められた装置と、自費診療で選択できる装置には違いがあります。

大阪・本町のフリージア歯科クリニックでは、患者さんのお口の状態や治療の希望を伺いながら、適切な選択肢をご案内しています。

いびきや睡眠時無呼吸症候群のマウスピースについて気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

フリージア歯科クリニック オリックス本町ビル院

日本口腔インプラント学会 専修医
日本口腔外科学会 所属
日本歯内療法学会 所属
日本睡眠歯科学会 所属
日本歯科審美学会 所属
日本臨床CAD/CAM学会 所属

文責:院長 歯科医師 浦 栄吾


Q1  睡眠時無呼吸症候群のマウスピースは保険適用になりますか?

医科で睡眠時無呼吸症候群と診断され、医師から口腔内装置治療の依頼を受けた場合、所定の装置は健康保険で作製できます。


Q2 AHIが5以上なら必ず保険適用になりますか?

AHIが5以上という数値だけでは決まりません。症状や睡眠検査による診断、医師の治療方針、医科からの治療依頼などが必要です。


Q3  紹介状なしでも保険で作れますか?

保険診療での装置作製には、医科の担当医師から口腔内装置治療を依頼する診療情報提供が必要です。


Q4 いびきだけでも保険適用になりますか?

単純ないびきの改善だけを目的とする場合は、原則として保険適用になりません。まず医科で睡眠検査を受けることをおすすめします。


Q5 CPAPを使っている人もマウスピースに変更できますか?

CPAPの使用が難しい場合などには、マウスピース治療が選択肢になることがあります。自己判断でCPAPを中止せず、担当医師に相談してください。


Q6 ソムノデント アバントは保険適用ですか?

SomnoDent Avantは上下分離型の装置であり、通常の保険診療の対象ではなく、自費診療になります。


今回の記事では、次の公的資料・診療ガイドラインを参考にしています。

  1. 厚生労働省:令和8年度診療報酬改定について — 保険診療における口腔内装置の算定要件。

    CCNews+1
  2. 日本睡眠歯科学会:口腔内装置に関する診療ガイドライン — 装置の適応、設計、下顎移動量の考え方。

    Mindsガイドラインライブラリ+1
  3. 国立病院機構 京都医療センター:歯科口腔外科 — AHIと保険適用についての患者向け説明。

    京都医療センター
  4. SomnoMed:SomnoDent Avant製品情報 — 自費診療用装置の構造と特徴。

    SomnoMed Japan



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